「スマホがコンタクトになる日が来るかもしれません。」
そんな未来を感じさせる製品が、“スマートコンタクトレンズ”です。
はじめまして!製造業の商社で営業をしている清蔵です。
このサイトでは、身近な製品が作られる裏側をお伝えします。
今回は、まるでSFのようなスマートコンタクトレンズが、実は日本の製造業とも深く関係しているという話を、わかりやすく解説します。
◆スマートコンタクトレンズとは?
そもそも、スマートコンタクトレンズとは、どんなものでしょう?
簡単にご紹介します。
・目の中に入れる「ウェアラブル端末」(ARメガネのような使い方)
・視界に文字・画像・情報が映る可能性がある
・医療分野(血糖測定、疾患のモニタリングなど)にも活用される研究が進行中
◆どんな技術が使われてる?
夢みたいなコンタクトですが、どうやってそんなの作るの?って思いますよね。
以下のような技術が合わさって作られます。
・極小ディスプレイ 半導体・マイクロLED関連
・レンズ素材 光学材料、プラスチック成形(射出成型)
・電源供給 ワイヤレス充電、超小型バッテリー
・配線技術 フレキシブル基板、微細加工(工作機械)
・通信技術 光通信(光ファイバー・センサ)
私も半導体、光通信系のお客様にモノを買っていただいていますが、こういった業界は、一般的に情報がとてもクローズドです。でも・・・お客様と強固な信頼関係を築いていくと、コッソリ面白いことを教えてくれたりするので、聞いてみようと思います。
◆スマートコンタクトが変える未来
では、実際、スマートコンタクトで具体的にどういったことができるのか見てみましょう。
・目的地までのナビを、視界に表示
・スポーツ選手がリアルタイムで体調や記録を確認
・医療現場で患者のデータを即時把握
すごくないですか?ナビが視界に表示されて、もうスマホを見ながら「えーっと、次の次の信号を右折して、ん?次はどこで曲がるんだっけ?」ってしなくていいんです。
◆人体への影響
そんな画期的なスマートコンタクトレンズですが、人体への影響はどうなんでしょう?
実は、結構ハードルはあるみたいです。
このコンタクトを着用したまま無線充電ゃ通信を行うと、目が電磁波を浴びてしまうみたいです。
◆解決策~電磁波シールド技術~
でも、早稲田大学の研究グループさんたちが、目を保護する高性能な電磁波シールド技術を開発してくれたので、解決への道が見えてきたみたいです。
ちょっとここから、技術のお話。(具体的な難しい話はイヤよ。という方は読み飛ばしてくださいね。)
シールド材料に使われた「MXene(マキシン)」は、
炭素や遷移金属などが平らにくっついたフレーク状の新素材で、高い導電性や電磁波シャットアウト機能を持つのです。これで、目は保護されますね。
一件落着!とはいかないんです。
◆次なる課題~ただ吹きつけるだけではダメ。ろ紙に整えて、うす~く紙を残す~
次なる課題は、このマキシンをどうやって「レンズ上に均一で高密度な膜」として貼るか・・・。
従来は、スプレーのように吹きかけていたようです。
でもこの方法だと、フレークがバラバラに付着するので、膜の密度が低い、表面がガタガタになる、
電気や光の性能が安定しないなどの問題があります。
そこで、開発されたのが、“ろ紙+真空ろ過”を使った新しい作り方です。
まず、マキシンを溶かした液体を用意し、それを紙製のフィルター(ろ紙)に真空ろ過で吸着させます。
そうすると、均一でキレイな膜が紙の上にできます。
この紙を、有機溶媒と水の混合液で溶かします。
※全部溶かし切らずに、「ごく薄い紙の膜」だけを残して、ろ紙は邪魔にならない程度に溶かします。
残った膜は、マキシン膜の酸化を防ぐ保護膜として働きます。
この方法で、電磁波は、なんと85%もシャットアウトできたようです。
こんなすごいスマートコンタクトレンズ製造の裏側では、
“素材をどう貼るか”という、めっちゃ地味だけど、超重要な工程があるんですね。
◆結び~製造業って地味系スゴ業界です~
いかがでしたでしょうか?
SFのようなスマートコンタクトレンズ。とても画期的でワクワクする技術の裏には、
多くのトライ&エラーがあるんですね。
地味だけど、とても重要な工夫の積み重ねで、すごい技術が生まれていることを、私も営業をしていて感じます。
そして、そんな技術の発展を行ってくれているお客様が少しでも、お仕事しやすいように
私も良いご提案ができるようにこれからも頑張ります!
コメント